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​経理的基礎基準(愛知県)

産業廃棄物処理業の許可(以下、産廃許可)を取得するには、許可にあたり「事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有していること」を許可要件にしています。​

よく、「産廃許可って赤字だと取れないんだよね」と質問いただくのですが、よほどの経営状況でない限り(「経理的基礎基準の判断の考え方」の中に不許可という項目はあります)「経営診断書」が必要なケースもありますが許可取得は可能です。

「経理的基礎基準」を満たしていない場合には、中小企業診断士又は公認会計士が作成する「経営診断書」が必要になります。

これは、昔から産業廃棄物処理業者による不法投棄の原因の一つとして経営難が挙げられていたことから許可要件の一つになった歴史があります。

経理的基礎基準の審査にあたり行政からその「考え方」というものが公表されていますが、内容が専門的なため、ここでは「経理的基礎基準の判断の目安」として説明していきますので、ご理解いただけたら幸いです。

​文字ばかりで申し訳ございません。

産業廃棄物収集運搬業許可申請(愛知県、積替・保管なし)のケースで説明を進めていきます。

当事務所に相談していただくと、その場で判断しますが、判断の目安としてご利用ください。

ちなみに「積替・保管あり」「処分業」はかなり条件が厳しくなります。

〇法人の場合​

まず、直近3年分の決算書を用意します。

 

①決算書中の「貸借対照表」で「自己資本比率」を計算します。

「自己資本比率」は(純資産合計/総資産(負債・純資産合計)×100)で求められる数字です。

一般的に「純資産合計」は「貸借対照表」の右下「純資産の部」の純資産合計の数字、「総資産」はその下の「負債・純資産合計」に記載があります。

この「自己資本比率」は結局のところ算数で求められるので、「負債・純資産合計」がマイナス(負債が大きい)でなければプラスになります。

「自己資本比率」がプラスであれば第一関門クリア、「経理的基礎を有している」と判断される可能性が高くなります。

 

②「自己資本比率」がプラスの場合、「直前3年間の経常利益金額等の平均値」「直前事業年度の経常利益金額等」の両方がマイナスでない場合には経理的基礎基準の認定になります。

経営診断書は必要ありません。

両方がマイナスの場合でも、診断書が不要の場合があります(その判断は複雑ですので割愛させていただきます。)ので、ご相談ください。

③「自己資本比率」がマイナスの場合、「直前3年間の経常利益金額等の平均値」「直前事業年度の経常利益金額等」の両方がプラスであっても「必要時診断書」となります。

その条件は、「直前事業年度の自己資本比率が-30%未満」「直前事業年度の流動比率が50%未満」のどちらかに該当する場合「診断書」が必要になります。

「流動比率」は(流動資産/流動負債)×100)で算出される数字で、流動資産は「貸借対照表の左側の資産の部」、流動負債は「貸借対照表の右上の負債の部」に記載があるはずです。

〇個人事業の場合

まず、直前3年分の確定申告書類一式を用意します。

①直前事業年度の確定申告書類内の貸借対照表で、左側「資産の部」の合計、右側「負債・資本の部」のうち負債にあたる部分の数字の合計を比較して、(資産≧負債)であれば第一関門突破です。

自治体によっては、事業主貸・事業主貸の算入不可であったり、独自の算出方法があったりしますので、ご相談ください。

②所得税の納税の状況から審査が始まります。税務署は交付する「納税証明書(その1 納税額等用)」を直近3年分を用意(当事務所では、マイナンバーの記載をしていただき代理取得することもできます)し、未納額が0であることを確認します。

(資産≧負債)である場合には、毎年納税していても、していなくても「原則基礎認定」となりますが、確定申告していないのはNGです。どんな許可申請でも確定申告は必須です。国民の義務です。

③(資産<負債)の場合、毎年納税していても「診断書」が必要です。

毎年納税していないのは「不許可」となり、申請できません。(できないことはないと思われますが、許可見込みゼロです。申請手数料の無駄です。)

文字ばかりで申し訳ないのですが、少しはご理解いただけたでしょうか。

行政書士鈴木しげる事務所では、許可申請をはじめ産業廃棄物に関し総合的にサポートする行政書士として活動しています。

​産廃許可申請だけでなく皆様の廃棄物の相談にも積極的に対応しております。

また、産廃許可と相性の良い建設業許可申請、古物商許可申請の代行もお問い合わせ、ご相談ください。

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